感動の名作映画『カッコーの巣の上で』をもっと詳しく!
「あらすじ・ネタバレ」はもう知っているけど、
あの感動の名シーンに浸りたい!
タイトルの意味を深く知りたい!
あの役のキャストのその後が知りたい!
そんなあなたに今回は、
- マクマーフィと愉快な仲間たち
- 見直したいあのシーン
- タイトルの意味
- キャストのその後の活躍
についてお話させていただきます!
こちらの情報を知っていると、友達から映画通だと思われること間違い無いです!(笑)
また一度鑑賞したけど忘れている箇所がある、という方には復習にもなります。
それでは、マクマーフィの愉快な仲間、どんな人物たちだったでしょうか?
振り返って見ましょう!
もくじ
マクマーフィと愉快な仲間たち
この映画のキャラクターはとにかく愉快で、彼らの個性が物語に笑いの要素を加えています。
簡単にご紹介していきましょう!
病院きっての色男、ビリー・ビビット
マクマーフィの友達とも呼べる彼は、自暴自棄なところがあります。行動力と自信がなく、どもっていて挙動不審に見えます。何かと調子を周りに合わせたがります。
彼はまだ若く、一度彼女にプロポーズをしたことがありました。しかしそれを母に打ち明けられませんでした。
そんな彼ですが、根はいい人だし、この映画の中で一番イケメンです。そしてマクマーフィの女友達、キャンディに気があるようです。
素直が一番、チェズウィック
メガネをかけた小男です。
彼の病名はわかりませんが、とにかく素直なところが印象的です。
複雑に考えたりせず、思ったこと、感じたことをストレートに言うことができます。
ただ素直の度が過ぎるので、幼稚に見えてしまうことも・・・。
知性が光る、ハーディング
言葉の端々から知性の感じられる男性です。
彼はおそらくうつ病で、自宅にいると気が滅入ってしまうので自主的に入院しているようです。
物事の成り立ちやその本質にとらわれるあまり、憂鬱になってしまうのかもしれませんね。
インテリ層にありがちなパターンです。
そんな彼を気にくわないのか、テイバーにしょっちゅうからかわれています。それに相手をするハーディもハーディですが・・・。
ちょっと短気なテイバー
目がぎょろっとしていて、見るからに落ち着きのないテイバー。
知性を見せつけてくるハーディングが気に入らず、彼のものを隠したり、挑発したりします。
子供のように無邪気なマティーニ
そして個人的にお気に入りの人物、マティーニ。
彼はおそらく知的障害か何かを患っているのではないかと思われます。
とにかく物分かりが悪く、ゲームのルールを無視して好き勝手やります。自分の番が回ってきてもいないのに、「よしこい!」などと意気込みます。
モノポリーで勝手に土地にホテルを建てるなど、ルールやその場の雰囲気を理解位する力に乏しいようです。
しかし彼の笑顔は子供のように無邪気です。
その満点な笑顔に心が癒されるので、目立った活躍はしませんが気に入っています(笑)
そして忘れてはいけないもう一人の重要人物が・・・!
大男のチーフ。
耳も聞こえず口もきけないふりをしていた彼は、なぜマクマーフィに心を開いたのでしょうか?
ここからは、もう一度見直したいあのシーン!として、二人の友情ストーリーを順に追ってご紹介していきます!
もう一度見直したい、あのシーン!
誰とも交流はなくとも、巨大な体から一目置かれていたチーフ。彼がマクマーフィに正体を明かすまでの流れを追っていきます!
マクマーフィとチーフの出会い
初めてマクマーフィがチーフに声をかけたのは、初日のことでした。ビリーやハーディがトランプをしている傍ら、一人無表情で立っているチーフに気がついたマクマーフィは気さくに声をかけました。
「そいつ、耳が聞こえないんだよ」
ビリーがマクマーフィにそう教えました。
そうなのか、病院が病院なだけに、彼はそれを信じます。
マクマーフィとチーフの最初の交流
そして外での運動時間。バスケットゴールの横で立っているチーフに、もう一度マクマーフィは声をかけます。
「そいつ、耳が聞こえないんだよ」
呆れた顔をした監視員が言いました。
「話しかけたって害はないだろう」「これは俺の独り言さ」
そう言ってマクマーフィは、しつこくチーフにバスケットボールを握らせ、ボールをバスケットゴールに入れるそぶりを繰り返し、遊び方を教えます。
この辺りから、チーフにとってマクマーフィは特別な人物となり始めます。
チーフの変化
チーフから初めて働きかけがあったのが、ワールドシリーズの多数決です。
8人全員が挙手しても過半数を超えず、困ったマクマーフィを助けるために、ゆっくりと手を挙げたのでした。
チーフの大躍進
そしてまた別の日。運動時間にバスケの試合をしていました。マクマーフィは大きな体を持ったチーフに使命を果たします。それはボールをバスケットゴールに入れること。
試合が始まると、マクマーフィのチームは息がバラバラで勝つ気配がありませんでしたが、チーフの手にボールが渡ればあっさりと点が入ってしまい、みんなは飛び跳ねて大喜びしました。
みんなの姿を見たチーフが、自分が必要とされていること、そして自分には大きな体という誰にもない武器があるのだということに気がつきます。
そして点を入れるばかりでなく、大きな足取りで相手ゴールへと向かい、バスケットゴールのネットの下を掴んでゴールを阻止します。一点も入らずチームメイトは大喜びです。
こうした出来事を経て、チーフは自信を取り戻し、マクマーフィは特別な人物になったのでした。
衝撃の瞬間はここ!
チャズウィックは「お仕置き」に連れて行かれ、順番待ちをしている二人。マクマーフィはフルーツガムを取り出し、隣のチーフに渡しました。
「ありがとう」
マクマーフィは耳を疑いました。確かに、チーフの口から声がしたのです。
本当にチーフの声だったのか?
残りの一枚をもう一度チーフに渡しました。
「フルーツ味だ」
チーフは、耳も聞こえし、口もきけたのです。
ただみんなを騙し続けただけだったのでした。医師も、婦長も、看護婦も、誰一人それを見抜くことができなかったのでした。
マクマーフィはおかしくて、嬉しくて、ただただ喜びました。そして、脱走計画を打ち明けます。
「俺は、小さな人間だ」
ところが、チーフは乗り気ではありません。
感動の瞬間はここ!
監視員がいなくなると、チーフは近寄って言いました。
「脱走しよう。今俺はでかい気分だ」
ところが反応がありません。目は虚ろに開き、口はだらしなく開いています。
驚いたチーフが上体を持ち上げ揺すると、頭がグラグラ揺れるばかりで体に力が入っていません。月明かりがマクマーフィのひたいを照らしました。
そこには、頭脳を開かれた痛々しい傷跡がありました。
ロボトミー手術です。
マクマーフィは前頭葉の一部を除去され、感情を失った状態にされたのでした。
チーフはそれを一瞬で悟りました。
「こんな姿で置いていけない。一緒に飛び立とう」
チーフはマクマーフィの頭から枕を引き抜くと、優しく彼の顔の上に置きました。
そして、力一杯枕を押し付けました。息ができないマクマーフィはなにがなんだかわからず、必死に抵抗します。ジタバタする彼は動物か何かのようです。
チーフはそれに負けないくらい、力一杯枕を押し付けます。
そして、抵抗する力が抜け、マクマーフィはぐったりとその場で息をひきとりました。
チーフの脱走
もう、こんなところから抜け出そう。
風呂場に直行すると水飲み台の前に立ちました。その水飲み場は、ワールドシリーズを見に抜け出そうとしたマクマーフィが一度持ち上げようとしたものです。
全神経を集中させて持ち上げますが、なかなか動きません。チーフの固い決意が後押しして、もう一踏ん張りすると、徐々に徐々に水飲み台は動き始めます。
水道管から一気に水が溢れ出し、水飲み台が完全にチーフの腕の中に収まると、それを抱えたまま歩き始めました。
大きく振り上げ、窓ガラスめがけて放り上げました。
部屋中が揺れるくらいの大きな音を立てて水飲み台は窓をぶち壊し、芝生の上に転がり落ちました。部屋中の者がその音で目覚めます。破られた窓ガラスの向こうには、夜明けの空が広がっていました。
チーフはためらいもせず、破られた穴の中に体を通しました。そして、向こうの地平線へと一直線に走って行きました。
二人はこのようにして仲を深め、そして一緒に飛び立って行ったのでした。自信を取り戻したチーフの勇気ある行動です。
それでは、誰もが気になっていた意味深な『カッコーの巣の上で』の意味。
こちらに移っていきましょう!
『カッコーの巣の上で』タイトルの意味は?
有力な解釈によると・・・
この作品は小説が原作となっています。
原題は”One Flew Over the Cuckoo’s Nest”というタイトルで、1962年のベストセラー小説です。
カッコーという鳥は、自分で巣を作らないという不思議な生態を持っています。
別種の鳥の目を盗んで巣に卵を産み、気づかずに育ててもらいます。
時には数合わせに親鳥の目を盗んで、親鳥の卵を巣から放り出すこともあります。
このような生態を持つ理由は未だに解明されていませんが、カッコーの卵が優先的に育てられるように、他の卵と同化するという習性もあるようです。
何れにしても明確な答えはないですが、原題の直訳「誰かがカッコーの巣から飛び立った」から考えると、このタイトルはチーフ(誰か)の病院(カッコーの巣)からの脱走をほのめかしているのではないか、考えられているようです。
こんな解釈もアリ?
そして、こんな考え方もあるのではないかと思います。(もしかしたら既に誰かが提唱しているかもしれませんが)
マクマーフィは、精神病を装ってカッコーの巣、つまり他人の居場所・精神病棟に入りました。それは別種の鳥の卵と同化するカッコーの卵に似ています。
マクマーフィが巣立つと思いきやチーフが巣立つ、という物語の要素が”one”という主語に込められているのではないか、と考えています。
定説とほぼ変わりませんが、こんな考え方もあると思います。
キャストのその後の活躍
さて登場人物の中に今後素晴らし活躍をしてくれるキャストが、ジャック・ニコルソンの他に二人いたのはお気づきでしょうか・・・?
病院きっての色男、ビリー・ビビット
一人目はビリー演じる「ブラッド・ドゥーリフ」。
実はこの役でアカデミー助演男優賞にノミネートされています。これをきっかけに、彼は個性派俳優として認知度を高めます。
そして、誰もが一度は目にしたことがあるあの人形のホラー映画に出演します。
それは・・・不吉な人形チャッキーの映画、『チャイルド・プレイ』です。こちらは声の出演ですが、この映画の人気は高く、1988年の一作目以降、1991年まで述べ3部に渡ってシリーズ化されました。
ビリーというインパクトの強い役柄が、のちのキャリアを作り上げたようです!
ちょっと短気なテイバー
そして二人目、テイバー演じる「クリストファー・ロイド」!
彼はのちに、誰もが知っているあの超有名なSF映画に出演します。
それが・・・
『バック・トゥー・ザ・フューチャー』です!!!
あの「ぎょろっとした目」です。お気づきでしたか??
そう、”ドク”ことエメット・ブラウン博士です!
素晴らしい思いつきをしては興奮して目をギラギラさせているあの感じ、言われてみれば一緒ですよね。
彼は『カッコーの巣の上で』の映画・舞台双方での評価が高く、その後もキャリアを積んで『バック・トゥー・ザ・フューチャー』の出演を果たしました。
この映画は世界中で爆発的な人気を誇理、世界的に有名な俳優となりました。
その後人気コメディ映画『アダムス・ファミリー』でフェスター・アダムス役も果たしました。人気の途絶えない俳優です。
さて彼の性格はというと、非常にシャイな性格で、インタビューには一切答えないそうです。
アメリカ人でもシャイな人はいるんですね!非常に驚きです。
『カッコーの巣の上で』もう一度観たくなりましたか?
いかがでしたか?
今回は映画『カッコーの巣の上で』のチーフの友情・タイトルの意味・キャストのその後についてお伝えしました。
- チーフの友情物語を振り返って、もう一度観たくなった!
- ビリー・ビビットがチャッキーだと知って『チャイルド・プレイ』を観たくなった!
- 脇役のテイバーが実はドクだとわかって衝撃を受けた!
そんなあなたは、今日は思い切って映画を見ましょう!
『カッコーの巣の上で』予告編はこちらになります♪
ネタバレやキャストを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
→映画『カッコーの巣の上で』あらすじ・ネタバレ・評価・キャスト。タイトルの意味は?チーフが病院にいる理由は?ラストは?
公開日
1975年11月 アメリカ合衆国
1976年4月3日 日本
ジャンル:ドラマ
監督
ミロス・フォアマン
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