あらすじからネタバレまで丸わかり!
映画『ブルックリン』は、
愛する故郷・アイルランドから、たった一人でアメリカへと旅立った女性・エイリシュの成長とロマンスの物語。
オシャレな映画を見たいとき
恋愛をしたいとき
ホームシックになったとき
にオススメです!
今回は、
- 映画・ブルックリンのあらすじ
- ときめきの瞬間はここ!
- 見どころ
- 感動の瞬間はここ!
- ノミネートされた理由
- ネタバレと感想
- 評価
これらを一挙にご紹介致します!
特に「見どころ」をお見逃しなく!
演技派女優で知られるシアーシャ・ローナン主演の『ブルックリン』。2016年アカデミー賞作品賞・脚本賞にノミネートされ、注目度が高いです。
祖国・アイルランドを離れた一人の女性は、一体どんな思いを抱えてアメリカへやってきたのでしょうか?
まずは本作品のあらすじからご紹介いたしましょう!
もくじ
「ブルックリン」のあらすじ
エイリシュ、アイルランドを離れる
夫を亡くした母と姉の3人で暮らしていたエイリシュは、姉さんのように立派な会計士を目指す優秀な女性でした。
ところが当時のアイルランドでは働き口が見つからず、仕方なしに日曜日だけ食料雑貨店で働いています。女主人・ケリーは皮肉屋で、姉に言わせてみれば控えめに言っても「イライラ女」、本当のところは「意地悪な魔女」。
一方プライベートもパッとしません。エイリシュは親友にダンスパーティーに誘われます。しかし友人だけが男性と踊ることができて、エイリシュに興味を持ってくれる男性はいません。楽しそうに踊る友人を置いて、エイリシュはパーティ会場を後にしました。
そんなある日、神父がエイリシュに仕事を紹介してくれます。それはデパートでの接客業務です。しかしそこで働くには、アメリカ・NYのブルックリンへ旅立たければなりませんでした。
決断を迫られるエイリシュですが、ろくな仕事もなく、友人のようにデートに誘ってくれるような男性も見つからないアイルランドです。彼女は渡米を決意します。
「姉が哀れね」「母の面倒を一生見続けるんだもの」
ケリーにもそんな嫌味を言われますが、彼女は少ない荷物をトランクに詰めて、出航しました。
アメリカに馴染めず、ホームシックになる
決断は早かったものの、アメリカという国に馴染むことは簡単なことではありませんでした。
アメリカ行きの船は想像を絶する悲惨なものです。揺れがひどく、船酔いをするので吐き気が止まりません。いざトイレに駆け込んでも、隣の部屋の乗客が占領しているので入れてくれません。
「匂いがひどくてごめんなさい」「どこも一緒よ」
船で出会ったアメリカ人の女性に、右も左も分からないエイリシュはアメリカでの振る舞い方を教わります。そして彼女に入国審査のアドバイスをもらいました。
「咳をしないこと」「無愛想もダメ」「アメリカ人のように堂々とするのよ」
無事入国し、自由の国・アメリカでの新しい生活が始まったエイリシュ。ところが、もともとおしとやかな彼女ですが、寂しさのあまり心を開くことができませんでした。
デパートでの接客は、お客様にもう一度足を運んでもらえるかどうかがかかっている、愛想が重要なお仕事です。それでも笑顔ひとつ作れないエイリシュに、
「友達のように振る舞うのよ」
と厳しい顔をした上司に注意を受けます。ぼんやりとしたエイリシュの態度に、お客さんは呆れて去ってしまいます。
仕事に加え、エイリシュの訛りを遠回しにバカにされたり、ルームメイトに馴染めなかったりと、心の休まる暇もありません。
仕事に集中できない彼女を心配し、仕事を斡旋してくれた神父が様子を見にきました。その時彼女は、自分がホームシックになっていることに気がつきます。神父の助言で、彼女は簿記検定を受けるために夜間授業を受けるようになりました。
しばらく授業に通うと、ルームメイトとも会話をするようにもなり、デパートの仕事の手順も身について来ました。それでも心はまだ祖国・アイルランドにあります。
唯一の楽しみは姉からの長い長い手紙です。彼女はそれを涙ぐみながら一人読んでいるのでした。
エイリシュに、恋人が現れる!
そんなある日、ルームメイトが入れ替わり、新人を迎え入れました。
彼女は少しわがままな性格で、他のルームメイトからも煙たがられる傾向にありました。そんな彼女の面倒を任されたエイリシュは、寮のおばさんに紹介されてアイルランド人の集まるパーティに出かけます。
エイリシュがある男性と踊っていました。その男性は別の女性に気がつくとそちらに興味を持ち、離れて行きました。その瞬間を見計らって現れた別の男性が、トニーです。
エイリシュは新しいルームメイトから逃れるには、トニーと一緒にパーティ会場を去るのが自然だと考え、それを素直に彼に伝えます。二人は会場を後にして、エイリシュの寮まで夜道を歩いて行きました。
ときめきの瞬間はここ!
「僕はアイルランド人じゃないんだよ」
トニーはそう打ち明けました。彼はイタリア系の移民でした。
「どうしてイタリア人のパーティに行かないの?」
「とてもイタリア的だからだよ」
「イタリア的って?」
「手が早いってことかな」
続けてトニーは、自分はそうじゃないんだとエイリシュにアピールします。アイルランド人が好みで、誰でもいいのではなく、君を気に入ったのだ、とほのめかします。
エイリシュの寮に着くと、トニーは次に会う約束を提案します。エイリシュは彼の紳士な態度に好感を持ち、それを受け入れました。
トニーは彼女の寮の手前で、エイリシュが扉の向こうに入ってしまうまで、ずっと後ろ姿を見続けていたのでした。
こうして、アイルランドからはるばるブルックリンにやって来たエイリシュの第二幕がスタートするのです・・・!
彼氏ができたエイリシュは、自然と愛想も良くなり、接客業務も以前より格段によくなりました。いつの間にかすっかりアメリカに慣れてしまった彼女は、自分の心がもうアメリカにあることに気づき始めます。
ここまでがあらすじです。それでは、本作品の見どころをお伝えします。
アメリカはやっぱり違う!「ブルックリン」の見どころ!
ロングアイランドのビーチ!
(※写真はイメージです)
トニーのデートに誘われて訪れたのは、ニューヨーク州・ロングアイランドのビーチでした。アイルランドの寂れたビーチとは違い、人で溢れかえった賑やかでカラフルなビーチに思わず見ている方もワクワクしてしまいます!
エイリシュとトニーの背後に写っている観覧車がデート感を演出しているので、見逃さないでほしいです!誰もが羨む「完璧な」ビーチに注目です!
ちなみに、洋服の下にあらかじめ水着を着ておいて、その場で脱ぐだけにしておくあの方法、映画では「アメリカ式の着替え方」と呼ばれていました(笑)
一方「アイルランド式の着替え方」は、男性は腰にタオルを巻いて着替え、女性は誰かに首から下までタオルで筒状に隠してもらってその中で着替える、という方法です。絶対野暮ったいですね(笑)
アンティークな建築物とインテリア❁
(※写真はイメージです)
食料雑貨店一つ取っても、れんが造りの建築物の外観には1950年代の時代を感じさせます。そして、エイリシュの実家のお部屋はとても可愛いです!
品のいい花柄の壁紙、壁にかかったさりげない絵画。緑を基調に統一されたインテリアに、ストーリーそっちのけで目が留まってしまうことさえしばしばありました。
また、エイリシュが一旦帰国した後に出会ったジムの実家も、大変立派なお家です。とにかく庭が広く、花が生い茂り、太陽がさんさんと降り注ぎ、思わずため息をついてしまいました・・・。誰もが憧れるお家です。
最後にこの映画のネタバレと感想をご紹介したいと思います!心の準備はいいですか・・・?
(注意※ このあとは作品のネタバレになりますので見たくないという方はスルーしてください)
映画『ブルックリン』のネタバレ!
一時帰国を迫られる、突然見舞われた悲劇とは・・・?
トニーとめでたく結ばれ、アメリカ暮らしにすっかり慣れたエイリシュ。そんな矢先に突然、不幸の知らせが届きます。
それは、姉の死でした。電話を受けた彼女は気が動転しました。なぜなら葬儀は明日だからです。アメリカからアイルランドへ、1日で帰国できるはずがありません。
エイリシュは失望しました。
どうして姉さんを置いて一人でアメリカへ来てしまったのか。
どうして母の世話を姉一人で任せるようなことができたのか。
これから母は一人でどうやって暮らしていくのか、老後はどうなるのか。
もう、一生姉さんに会うことはできなくなってしまう。
そんな思いばかりがこみ上げ、どうしたらいいのか分からなくなります。
わたしにとって故郷は、どこなんだろう。
そんなエイリシュを、トニーは支えようと努力します。彼女の苦しみを理解しようとします。
しかし、彼女の祖国は彼女の祖国。夜中眠れない彼女は、アイルランド行きを決意します。
「しばらく1ヶ月くらい、お母さんを慰めてくる」
トニーは彼女を離したくないと思いながらも、それを了解します。しかし彼には提案がありました。
「内緒で結婚しよう」
エイリシュはためらいます。
「約束じゃダメなの?」
「約束するなら、結婚するのも同じじゃないか」
慎重なエイリッシュですが、トニーの真剣な求婚に、ゆっくりと頷きました。
そして翌日、二人は正装をして市役所へ行きました。待合室には様々な用事でそこへ待つ人がいます。
そこへボールで遊ぶ子供を見つけ、トニーは遊び相手をしていました。するとその子供の親がやって来て、トニーと子供の父親が会話を始めます。その家族は偶然にもアイルランド出身で、住んでいた街がエイリシュと同じだったのです。
偶然の一致に驚いたトニーはエイリシュを呼びましたが、そのタイミングで市役所の人に名前を呼ばれました。
手続きを無事に済ませたエイリシュは、すぐにアイルランドへ旅立ちました。
アメリカとアイルランドで二重結婚!?その結末は・・・?
アイルランドへ着くと、早速友人から連絡が来ました。友人が結婚するので、結婚式に出席してほしいとのことでした。エイリシュの出国は21日を予定していたのですが、挙式は28日。
そして内緒で挙げた結婚を知らない友人は、エイリシュとジムという男性をくっつけようと企てます。ジムは渡米前に友人と行ったダンスパーティーにいた人物です。結婚しているエイリシュは、当然そのお節介を煙たがります。
そして追い討ちをかけるように、エイリシュに仕事の依頼が来ます。それは亡くなった姉の簿記の仕事のあとを継ぐことです。人手がない今、机の上は散らかっていて、とりあえずそれを整理してほしいとの依頼がありました。
仕事を任せたいことを遠回しに言ってきます
ジムにも母にも結婚を迫られ、いい条件の仕事も依頼される。そのうちに、こんな思いがこみ上げて来ました。
どうしてアメリカへ行く前に、こんな状況にならなかったのだろう。
優秀でありながら仕事ももらえず、男性にも出会えなかったからアメリカへ渡ったのに、今になって全ての条件が揃ってしまった。
トニーを愛していながら、別の人生の可能性を前にして、彼女は帰国をすることができなくなってしまいました。
するとある日、食料雑貨店の女主人・ケリーから呼び出しをくらいます。
「あなた、名字が変わったんじゃないの?」
ジムとの噂を耳にしたケリーは、知るはずもない彼女の結婚について探りを入れます。というのも彼女は、市役所で出会ったアイルランド出身の家族と知り合いだったのです。
「忘れてた」
彼女はつぶやきました。
「忘れた?自分が結婚したことを忘れるって」
「この街がこういう街だってこと、忘れた」
ケリーはハッとします。以前のエイリシュはもっとおとなしかったのです。
「あなたは何が言いたいのですか?」
噂や遠回しの嫌味に、何の意味があるのだろうか。それが楽しいのだというのだろうか。
アメリカ暮らしで、エイリシュは身も心も強く成長していたのです。
逃げるようにしてケリーの部屋を飛び出し、電話でアメリカ行きのチケットを予約しました。手早く荷物をまとめ、船に乗り込みました・・・一通の手紙をジムに残して。
感動の瞬間はここ!
仕事を終えたトニーは同僚と路上で話していました。眩しい夕陽が降り注ぐ、夕方です。ふと正面を向くと、道路の向こう側に、こっちを見ている女性がいました。
ずっと待ち続けていた愛しいエイリシュが、向こう側からこっちを見ているのです。彼はゆっくりとそれを認めました。工具を同僚に渡し、道路の向こう側へと駆け寄りました。
そしてエイリシュの正面に立ち、二人は見つめ合いました。
何通も何通も手紙を出ながらひたすら待ち焦がれたトニーと、一時はジムと結婚しそうになったけれど本当に大切な人を思い出して帰ってきたエイリシュ。
二人はお互いの空白を探り合うかのようにただ見つめ合っていました。それからお互いの愛を再確認し、強く強く、二人は抱きしめ合いました。
映画『ブルックリン』の感想
この映画を見ている途中、すごくシンプルで静かな映画だなあと思っていました。
エイリシュは会計士を目指しているということもあり、とても地味な女性なのです。仕事がないからアメリカ行って、仕事を見つけて、恋人ができて、幸せに暮らすのかなあ、と単純に構えていました。
ところが、母よりも姉が先に死んでしまったり、ジムという男性が現れたり、簿記の仕事を紹介されたりと、「別の人生」を提示されて選択に迫られるエイリシュを見たとき、人生の盲点のようなものを突きつけられたような気がして、ハッとしました。
常に最善の選択をしているつもりでも、思いがけないところで選択の修正を迫られることがあるのだと考えさせられました。
また、主演を務めるシアーシャ・ローナンは個人的に大好きな女優の一人で、こうした役柄も演じられるのだなあとしみじみしてしまいました。これまでミステリアスな役柄が多かっただけに、新鮮でした。
『ブルックリン』という映画はアンティークでおしゃれでありながらも、移民問題を扱い、一人の女性の恋愛と人生の選択を描いた奥深い作品でした。
それでは『ブルックリン』の評価を付けさせていただきたいと思います!
評価は・・・
評価 ★★★★☆4/5
星4つです!
- ファッションと音楽が素敵なところ
- 感情移入できる恋愛物語だったところ
- かつ移民問題を扱う奥深さがある
これらを踏まえた評価です。残りの1点は、もう少しインパクトが強いといいなあという希望です!
『ブルックリン』、観たくなりましたか?
いかがでしたか?
今回は映画「ブルックリン」のあらすじや見どころ、そしてときめきの瞬間と感動の瞬間についてご紹介していきました。
ネタバレやお気に入りのシーンはご紹介いたしましたが、実際に見てみるとより鮮やかにストーリーや光景を味わうことができます!
そして今回ご紹介したこと以外にも、魅力がもっと見つかるかもしれません!
もっと『ブルックリン』について知りたい!という方は、こちらも是非お読みください!
→映画『ブルックリン』衣装と音楽と時代をご紹介!これを知るとさらに作品を楽しめる!
『ブルックリン』予告編はこちらになります♪
「ブルックリン」( 原題:Brooklyn )
公開日
2015年11月4日 アメリカ合衆国
2016年7月1日 日本
ジャンル:ドラマ/ロマンス/青春
監督
ジョン・クローリー
キャスト
- エイリシュ・レイシー役 : シアーシャ・ローナン
- アンソニー”トニー”・フィオレロ役 : エモリー・コーエン
- ジム・ファレル役 : ドーナル・グリーソン
- フラッド神父役 : ジム・ブロードベント
- ミス・キーオ役 : ジュリー・ウォルターズ
- ミス・ケリー役 : ブリッド・ブレナン
- ローズ・レイシー役 : フィオナ・グラスコット
- ミス・フォルティーニ役 : ジェシカ・パレ
- ナンシー役 : エイリーン・オイギンス
- ドローレス・グレイス役 : ジェン・マレー
- パティー・マクガイア役 : エミリー・ベット・リッカーズ
- ディアナ・モンティーニ役 : イブ・マックリン
- シェイラ役 : ノラ=ジェーン・ヌーン
- マウリツィオ・フィオレロ役 : マイケル・ゼゲン
- フィオレロ氏役 : パウリーノ・ヌネス
- フランキー・フィオレロ役 : ジェイムズ・ディジャコモ
- ロレンツィオ・フィオレロ役 : クリスティアン・デ・ラ・コルティーナ
- フィオレロ婦人役 : エレン・ディヴィッド
- ジョージナ役 : エヴァ・バーシッスル
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